内 科

当院の目指す内科医とは

①ジェネラリスト・スペシャリストが一体となった内科診療

総合医・各専門医は内科医としての共通基盤を重視し、常に診療、カンファレンス、勉強会等を合同して行っています。それぞれの専門性を共有しながらも、最新のエビデンスに基づいた内科診療を目指し切磋琢磨しています。

②病歴・身体所見・診断プロセスを重視した内科医

入院・外来症例のカンファレンスを通して経験を共有し、病歴・身体所見を重視した臨床推論を学べます。また、診断プロセスの振り返りも定期的に行い、その共有・向上にも力を入れています。

③多彩な診療の場で活躍できるジェネラリスト

病棟入院診療だけでなく、初診・再診・救急外来・訪問診療などの多彩な診療場面の経験を通して、どんな地域でも通用するジェネラルな内科医を育てます。また、検査・手技なども各専門医に指導を受けながらスキルアップできます。

内科診療実績(2021年度)

入院患者:3,293人/年
平均在院患者数:114.7人/日(最大:149人/日)
平均在院日数:13.0日
救急車受け入れ台数:2,042人

活動内容

  • 外来診療:初診外来、再診外来を週1コマずつ担当します。初診外来は5症例/回程度、再診外来は10-20症例/回程度を診療します。
  • 入院診療:基本的に外来や救急・当直から自分で入院とした患者さんの入院管理が中心です。通常10-15名前後の患者を受け持ちます。
  • 救急外来:週1-2回ほど、二次救急症例と他院からの紹介症例を担当
  • 当直:月3-4回程度、二次救急対応と病棟管理
  • 検査:希望に応じて上下部消化管内視鏡や各種超音波検査を行えます。1から学ぶことも可能です。

知識・最新のエビデンス・診断プロセスを学べる多彩なカンファレンス・勉強会

 当院では、特にカンファレンスや勉強会を重視しており、日々多彩な切り口で多くの学びの機会を提供しています。実際の症例を通した学びだけでなく、知識や最新のエビデンスが、参加するだけで自然に学ぶことができます。

チームカンファレンス

各チームで新入院症例と相談症例をプレゼンし、チーム全体でレビューします。チームは総合内科医、循環器内科医、消化器内科医で構成されており、垣根のないディスカッションが行われます。

全体カンファレンス

内科全体で行う症例カンファレンスで、研修医がプレゼンテーションをし科全体でディスカッションを行います。

論文抄読会

各自が1週間の間に読んだ論文をそれぞれが紹介、共有するカンファレンスです。全文要約はせず、批判的吟味を交えた上で要主を日本語で紹介します。主にNEJM、Lancet、BMJ、JAMA、AIMなどを扱います。

Clinical Questionカンファレンス

経験症例をピックアップし、その中からClinical Question(CQ)を考え、参加者全員でエビデンスを調べ共有するカンファレンスです。CQの立て方だけではなくエビデンスを検索するプロセスも共有し、臨床疑問の解決能力の向上も狙っています。

多施設合同症例カンファレンス

Zoomを使い多施設合同で症例検討を行います。診断やマネージメントで困っている症例を共有し、施設を超えたディスカッションをします。

臨床推論症例カンファレンス

経験症例やNEJMのClinical Problem Solving症例を題材に、病歴・身体所見を提示し鑑別診断を挙げ思考過程を共有することを重視したカンファレンス。ホワイトボードを用いて、思考の見える科を目指している。毎回、他病院の研修医も早朝ながら講義に参加しています。

ポートフォリオ発表会

家庭医療・総合診療の集まりとして、プライマリケア連合学会の家庭医療後期研修プログラム同士が連携して、定期的にポートフォリオ発表会を開催している。

ある1日の流れ

7:30-8:30

チームカンファレンス

チームカンファレンス

全体カンファレンス

チームカンファレンス

チームカンファレンス

8:30-12:30

救急外来

上部消化管内視鏡

 

初診外来

近隣クリニックへ外勤

12:30-13:30

論文抄読会

Clinical Questionカンファレンス

多施設合同症例カンファレンス

スタッフカンファレンス

臨床推論症例カンファレンス
13:30-

 

 

救急外来
膠原病カンファレンス(月1回)
Physical Round Onlineカンファレンス(月1回)
家庭医療カンファレンス(毎週)

 

再診外来
EBMカンファレンス(月1回)

診療実績

  • 2021年度内科入院患者

    ◆全入院患者:3,293人
    ・男性:1,899人
    ・女性:1,394人
    ・平均年齢:67.3歳
    ・65歳以上:

    ◆緊急入院:2,094人
    ◆救急搬送:1,134人
    ◆紹介:2,111人

    ◆平均在院日数:13.0日
    ◆院内死亡:174人

    2021年度内科入院患者~年代別~

  • 2021年度内科入院患者~疾患頻度別Top10~

    ※ICD10(小分類)別での集計

    ①COVID-19:1,036人
    ②心不全:198人
    ③狭心症:110人
    ④脳梗塞:86人
    ⑤結腸、直腸、肛門及び肛門管の良性新生物<腫瘍>:84人
    ⑥急性心筋梗塞:60人
    ⑦肺炎:56人
    ⑧慢性虚血性心疾患:55人
    ⑨腸の憩室性疾患:52人
    ⑩胆石症:44人

    2021年度内科入院患者~分野別~
    ※ICD10(大分類)別での集計

内科常勤医募集

 栃木医療センター内科では、一緒に働く仲間を募集しています!栃木県が好き!餃子が好き!御神輿が好き!(夏の宮祭りはかなり盛り上がります)。ジェネラ ルに診療したい!サブスペシャリティを極めたい!楽しく仕事がしたい!その他興味のある方は是非ご連絡下さい。見学も随時受け付けています!

募集対象

  • 後期研修医(レジデント)
  • 内科スタッフ(総合内科)
  • 内科スペシャリスト(循環器・消化器・呼吸器・内分泌代謝・神経・血液・アレルギー膠原病)

後期研修募集要項
内科スタッフ募集

連絡先
独立行政法人国立病院機構栃木医療センター  TEL:028-622-5241(代表)
管理課給与係長 齋藤 万里名 203-kyuyo@mail.hosp.go.jp

スタッフ紹介

役職 氏名 専門分野 認定医・専門医
外来診療部長
内科部長
上原 慶太 消化器内科 日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本消化器病学会専門医・指導医
日本肝臓学会専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
臨床研修指導医
臨床研修プログラム責任者
産業医
医学博士
慶応義塾大学医学部客員講師
病棟診療部長
循環器内科医長
足立 太一 循環器内科
救急
日本内科学会認定医・指導医
日本循環器学会循環器専門医
日本心血管インターベンション治療学会専門医
身体障害者福祉法指定医(心機能障害)
日本ACLS協会 ACLSインストラクター
日本救急医学会ICLSインストラクター
日本内科学会JMECCインストラクター
医学博士
消化器内科医長 小池 健郎 消化器内科 日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本消化器病学会専門医・指導医
日本肝臓学会専門医・暫定指導医
日本消化管学会 胃腸科専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
臨床研修指導医
医学博士
獨協医科大学消化器内科非常勤講師
消化器内科医長
内視鏡センター長
吉竹 直人 消化器内科 日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本消化器病学会専門医・指導医
日本肝臓学会専門医
日本消化管学会胃腸科専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
臨床研修指導医
医学博士
内科副部長
内科医長
矢吹 拓 総合内科
家庭医療
日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本プライマリケア連合学会家庭医療専門医・指導医・評議員・理事
身体障害者福祉法指定医
産業医
American College of Physician(ACP) Japan,Scientific Program Committee(SPC)
臨床研修プログラム責任者
臨床研修指導医
循環器内科医長 諏訪 秀明 循環器内科 日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本循環器学会循環器専門医
日本心血管インターベンション治療学会専門医
臨床研修指導医
医学博士
内科医師 平岩 卓 総合内科 日本内科学会総合内科専門医・指導医
臨床研修指導医
消化器内科医師 内藤 恵理 消化器内科 日本内科学会総合内科専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化器病学会専門医
日本肝臓学会専門医
消化器内科医師 内藤 裕史 消化器内科 日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化器病学会専門医
臨床研修指導医
日本肝臓学会専門医
内科医師 杉山 嘉宏 総合内科
家庭医療
日本内科学会認定医・指導医
日本プライマリケア連合学会家庭医療認定医
臨床研修指導医
内科医師 小澤 労 総合内科
家庭医療
日本プライマリケア連合学会家庭医療専門医
臨床研修指導医
内科医師 三戸 勉 総合内科
家庭医療
日本内科学会認定医・指導医
日本プライマリケア連合学会家庭医療専門医
臨床研修指導医
内科医師 佐藤 友佳子 総合内科 日本内科学会認定医
内科医師 伊豆倉 遥 総合内科
家庭医療
日本プライマリ・ケア学会 家庭医療専門医・指導医
日本専門医機構 総合診療研修 特任指導医
消化器内科医師 林田 翔 消化器内科 日本内科学会内科専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化器病学会専門医
内科医師 大澤 悠 総合診療
内科医師 山口 高史 総合診療
内科医師 松山 拓 総合診療
内科医師 瀨堂川 拓 内科
内科医師 三田 隼太郎 内科
内科医師 松村 薫 総合診療
内科医師 福田 宏 循環器内科(非常勤)
内科医師 正和 明哲 呼吸器内科(非常勤)
内科医師 高橋 渉 血液内科(非常勤)
内科医師 菊池 朋子 内分泌代謝(非常勤)
臨床研究部長 加藤 徹 循環器内科 日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本循環器学会循環器専門医
臨床研修指導医
医学博士
獨協医科大学医学部 心臓血管内科/循環器内科 特任教授

その他

  • 各種臨床治験や国立病院機構のEBM研究などへ参加しており、学会発表も定期的に行っています。
  • 文献検索:Uptodate、DynaMed、メディカルオンライン、医中誌等利用可能です。
  • 医学書、医学雑誌も数多く購入しています。
  • 週末はオンコール制としていますので、適宜休養、家族サービスにあてたり、学会、勉強会に参加できます。
  • 東京までは新幹線で1時間弱ですので便利です。
  • 院内官舎あり。
  • 院内保育園もあり女性医師の支援も行います。

認定施設

日本専門医機構内科プログラム基幹施設
日本専門医機構総合診療プログラム基幹施設
日本プライマリー・ケア連合学会認定施設
日本消化器内視鏡学会指導施設
日本消化器病学会指導施設
日本肝臓学会認定施設
日本感染症学会認定研修施設
日本がん治療認定医機構認定研修施設
日本循環器学会認定循環器専門医研修施設
日本救急医学会専門医指定施設

取得可能な専門医

日本内科学会内科専門医
日本専門医機構総合診療専門医
日本内科学会総合内科認定医・専門医
日本プライマリケア学会家庭医療専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会内視鏡専門医
日本肝臓学会専門医
日本感染症学会感染症専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本循環器学会認定循環器専門医
日本救急医学会専門医

内科副部長からのメッセージ

当院に赴任して8年になりました。後期研修医の指導を継続して行ってきましたが、実は一番成長させてもらったのは私自身かもしれません。コモンな疾患の診断・マネージメントのブラッシュアップはもちろん、レアな疾患の診断、横断チームでの経験、地域診療所との連携、多彩なカンファレンスや勉強会など、多くの学びに溢れた環境ができました。
また、指導医は若手・中堅医師が多く、活気のある雰囲気の中で、研修医だけでなく指導医も学び続け、ともに高みを目指して診療しています。内科医としてのスキルだけでなく、診療所との連携を通して家庭医や総合診療医などのプライマリケアの学びも可能です。多くの後輩医師が研修を通して確実に成長していく様子を見てきました。皆様と一緒に働けるのを楽しみにしています。


レジデントからのメッセージ

現レジデントからのメッセージ

栃木医療センター 内科 後期研修医 城田 祥吾

 栃木医療センターの内科後期研修は、日本で最も優れた後期研修の一つだと感じています。良いと感じるところは、枚挙に暇がありません。総合内科医+専門医(循環器、消化器)と後期研修医で構成されるチーム編成、すべての内科疾患を受け入れる体制、救急から入院管理、外来フォローまでを一貫して行えること、指導医とのマンツーマンでの入院患者の方針相談と外来振り返りからチーム、内科全体での症例検討、毎日内容が変わる昼の勉強会、招聘講師による臨床推論特訓、EBM勉強会、フィジカルクラブ(身体診察勉強会)、膠原病症例相談、面倒見のよい指導医の方々、相談しやすい内科全体の雰囲気、などなど。研修の中で内視鏡や心臓カテーテル検査、超音波検査なども自由に選択して研鑽することができます。これだけ豊富なコンテンツがある中、カンファレンスや勉強会の内容もより目的意識をはっきりさせ、意義のあるものにしようと試行錯誤し、進化しています。変化の中にこそ成長があります。現状で満足することなく、日々進化している当院の研修をぜひおすすめします。

栃木医療センター 総合診療 後期研修医 川口雄史

 私は総合診療科プログラムの後期研修医として研修をしています。全国から集まる優秀な内科レジデントと共に総合内科として最新のevidenceに基づいた医療を学べる一方、病院・在宅の両方を兼ねる先生方からは家庭医療の本質を学ぶことができる貴重な研修環境です。各方面で得意な分野を持つ一味違ったスタッフの先生方は熱心かつ優しい先生ばかりで、日々のカンファレンスは和気藹々と盛り上がりつつ、臨床推論や患者マネジメントの能力が確実に身についていることを実感しています。また内視鏡やエコー等の手技も学びながら、救急や初診で診る患者を自分で診断し、その後の入院、退院後のフォローまで一貫してみています。医学的な問題だけでは解決できない難しい症例も多く、知識だけでなく医師としての人間性やスキルも試される環境ですが日々頭を抱えながらも濃密で充実した楽しい研修生活を送っています。

栃木医療センター 内科 後期研修医 三崎誠

 私は東京で初期研修後に当院の内科研修プログラムで研修を開始し、はや1年が経ちました。後期研修医の立場から当院での研修プログラムの特徴を話します。当院での研修の特徴の1つは「魚(知識)を与えてくれるし、魚の釣り方も教えてくれる」ことです。数多くあるカンファレンスや勉強会の中で多くの知識や経験を共有できるとともに、毎週開かれるCQ(clinical question)カンファでは、日々の診療でもつCQの解決方法も学べます。それを毎日経験する多くの症例で応用することで自己学習につながっています。今後臨床医をしていく中で、どの環境に行っても役に立つ貴重な経験です。もう1つの大きな特徴は、総合内科に所属することで他の診療科をローテーションしないで様々な領域の疾患を経験できることです。新しい内科研修プログラムとなり、病院によっては他領域の診療科をローテーションしなければならなくなりました。もちろんある診療科にどっぷりつかる時期があることのメリットは大きいです。しかし一方で、その期間に他の領域に触れられなくなることもデメリットとしてあります。当院の後期研修医は総合内科に属しながら、循環器や消化器など他領域の疾患も専門医の先生方に教えていただきながら初期診療から退院まで患者さんを診させてもらえるため、同時期にバランスよく様々な疾患を経験できます。以上、知識や経験の面でお話ししましたが、他に実感した点として、先生方が常にmedicalやsocialな点を総合的に考慮して「最善な医療は何か」という視点に立って診療していることです。後期研修医の私はやはり医学的なマネジメントに視点が向きがちですが、それ以外の視点も同時に持たなければならないという重要な姿勢も同時に学ばせていただいています。他では経験できない環境がここにはあります。是非一度見学に来てください。

栃木医療センター 内科研修を終えて

京都医療センター 初期研修医 漆原愛子(2018年在籍)

 初期研修2年目の夏に1ヶ月間、地域医療研修の一環として内科で研修させて頂きました。教育熱心な上級医の先生方の指導の元で病棟管理や初診外来、救急外来を経験できただけでなく、毎日昼に各種勉強会があったり夕方に他院から訪れた講師による回診やレクチャーが頻繁に行われていたりと、研修環境としては常に熱気に満ちており恵まれた場所でした。週1回午後半日は近隣の診療所の訪問診療に同行させて頂いたのですが、そこで診察した患者さんの一人が後日救急車で栃木医療センターに搬送された際に救急外来での対応及び担当医として退院まで見届けるというプロセスを経験し、地域医療の奥深さを感じることもできました。デスカンファを通して死について改めて正解のない問いと、もやもや感を持ち帰ることができたことにも感謝しております。どうもありがとうございました。

吉野雄大(2015-2016年在籍)

 栃木医療センターで2年間過ごしました。振り返ってみると医師5年目、6年目の時期に主治医として責任ある仕事をしながら、経験豊富な指導医陣からも直接学べるというとても恵まれた環境だったように思います。小規模な体制ながら、日々カンファレンスで議論したことが次々と診療に反映されていき、よい結果が生まれた時にはさらに充実感が増していきました。小規模であるからこそのメリットがたくさん凝縮されています。実際に大腸内視鏡に関してはマンツーマンで指導していただき、短期間で検査に対する自信が持てるようになったことは今でも役立っています。また医師以外の診療スタッフにも大変恵まれており、顔の見える関係性から院内の連携も大変スムーズです。時に厳しく、時に温かく見守られ、医師としてだけでなく、人としても成長できる、そんな貴重な環境が今も忘れられません。

宮永明子(2016年在籍)

 私は、初期研修から3年間の大学病院での研修の中で、commonな疾患を自ら診断・managementする能力が欠けていると痛感し、医師4年目から1年間、本院内科で研修をさせていただきました。
本院の魅力は、教育熱心な先生が多く、指導体制もしっかりしていること、医師数が少ないため、多くの症例や手技を経験できること、内科が細分化しておらず幅広く疾患を診られることなどがあります。
実際の研修では、日々の病棟業務に加え、週に数コマある救急車対応、夜間一人での輪番当直勤務、初診外来や訪問診療、内視鏡やエコー検査など、幅広い経験を積むことができました。一人で診療することは多いですが、困ったらすぐに上級医や他科医師に相談できる垣根の低さにはとても恵まれていました。また、地域に根ざした病院であるため、社会的背景の複雑な市民を診ることが多々あり、患者の生活背景を把握することで、病気が見えたり、解決策が浮かび上がったりと、医師として患者のsocialな部分に目を向ける大切さを学びました。その他、医療従事者同士の連携が密で、病院全体で患者をサポートする環境が整っており、廊下ですれ違う職員同士が皆挨拶する温かい雰囲気は、当院ならではだと思います。

新美望(2016年在籍)

 栃木医療センターの良さは適度な自由さとバックアップにあると思います。
6ヶ月の研修でしたが、自らが主治医として全てをマネージメントしつつ困った時にはどんな時間でも上級医に相談が出来ました。レア疾患の診断からcommon diseaseのevidenceに基づいた管理までしっかりと学べます。初診外来・救急外来・入院管理・外来でのfollow upの全てが可能で救急外来で自分が入れた患者さんを入院管理し、その後を外来で診ていくことが可能です。
日々患者さんの回復を見て、救急車で来た患者さんが歩いて帰るのを見られるのは医者として無上の喜びです。
また、私事ですが単身赴任だったのですが研修初週に子供が生まれました。栃木医療センターの先生方は、非常に助けていただいて毎週東京に戻って家族の時間を作ることが可能でした。
侠気のある優しい先生方と働けて非常に実りの多い半年を過ごすことが出来ました。

東京医療センター 総合内科後期レジデント 藤田 麻衣子

 後期研修医として二年目の夏に3ヶ月間お世話になりました。まず印象的だったのが、診療科間の垣根の低さです。電話一本で他科の医長の先生にもすぐにコンサルトすることができ、日々の診療においてとても心強かったです。症例豊富であり、大規模病院では各専門科に分かれるであろう疾患も自分で診ることができます。特に消化器疾患(肝炎や肝硬変、消化管出血など)が多く、とても良い勉強になりました。また、上級医の指導のもと、胃カメラや胃ろう造設、エコー(腹部、甲状腺など)を実施できました。自分の裁量で外来や入院管理ができる一方で、必要なときは上級医に相談することができ、内科医として最高のトレーニングの場所と感じました。

東京医療センター 総合内科後期レジデント 斎藤 舞子

 栃木病院(当時)内科で研修させていただいた期間は、自身の医師人生にとってかけがえのない時間であったと思います。私は、将来、へき地を中心とした地域の基幹病院で総合医として働きたいという希望があります。そのためには、専門的知識を得る重要性と、それを生かしながら総合的に診る力を養う必要があると考えています。栃木病院研修ではその両方を実現することのできる魅力に溢れていると思いました。まず、内科単科の病院ということで、必然的に幅広い視野を持って総合的に診る力が鍛えられます。ただ、自身で懸命に学ぶことも重要ですが、より専門性の高い疾患は専門的見地からの意見も非常に重要です。それに関しては、定期的に専門医からの助言を得、学びながら安全に医療を行うことができました。また機会を得て、研修に伺わせていただきたいと考えています。

東京医療センター 総合内科後期レジデント 森 紘子

 普段は都内の総合病院で研修をしている私にとって、当院での内科研修は毎日がとても新鮮で興味深いものでした。標榜診療科はあっても非常勤医師のみの場合は、診断がついても転科となることはなく、自分で最後まで治療していく貴重な経験をさせていただきました。最初は不安でしたが、非常勤の先生の御指導をいただき、指導医の先生のサポートのお蔭で、多岐にわたる疾患を主治医として治療することができました。また、勉強会や海外論文紹介など、日々新しい学びが沢山ありました。希望による研修内容を調整や(例:内視鏡や診療所勤務など)、学会発表の機会、週末オンコール体制も魅力です。

東京医療センター 総合内科後期レジデント 内山 直樹

 今回栃木医療センターでの研修を通じて、上級医の先生方が‘内科’として総合的にマネージメントを行う姿をみて、自分がこれまで如何に各専門科の医師に守られた中で医療を行っていたのかを実感することができ、また先生方が常に貪欲に新しい知識を得、日々の診療に生かしていく姿勢を見ながら働く中で、今後自分が目指していくべき医師像をより明確にイメージすることができました。 
研修においては手技や疾患の面に於いても多くのことを経験し、総合的に内科を学ぶことができ素晴らしい環境であったのはもちろんですが、地域の先生とともに往診や診療所研修を行うことができたことは非常に貴重な経験となりました。今回は3ヶ月という短い間であり、充実した研修はあっという間に過ぎてしまいましたが、可能であればまた是非栃木医療センターで研修を行いたいと思います。

東京医療センター 総合内科後期レジデント 田中 雅之

 医者4年目の夏は、初期研修からずっと所属していた東京医療センターをはじめて離れ、栃木医療センターで過ごしました。不安と期待に胸を膨らませながら宇都宮生活が始まりましたが、後期研修医である私を常に温かく見守ってくださった上級医は内科のみならず他科の先生にも共通して言えるところでありました。また、日々行われるカンファレンスや勉強会を通して知識は更新され、臨床能力は一歩ずつ前進していると自らも感じることができました。研修が終わり、今あの4ヶ月を振り返ってみると、本当に内科医・病院総合医としての成長を促してくれる病院・メンバーの中で研修出来たとつくづく思いかえすところであります。

医学部学生実習を終えて

栃木医療センター 内科研修を終えて

今回、私は大阪大学の地域実習で栃木医療センター・宇都宮協立診療所で実習させていただきました。 
栃木医療センターでは、病棟、外来、救急、在宅、診療所など多くの場に参加させていただきました。診察に同行して疾患について適宜解説して頂き、身体所見や検査の組み立てについて勉強させて頂きました。経験した症候・疾患は多岐にわたりました。救急での対応や多疾患を持つ患者さんへの介入も勉強になりました。消化器内科の内視鏡、循環器内科の心臓カテーテル、甲状腺エコーなどの検査も解説付きでみせて頂きました。他科へのコンサルトがしやすい雰囲気があり、上級医の先生のバックアップも厚く、将来的にはこのような環境で働いてみたいと感じました。 
カンファレンス・勉強会も多彩でした。最終的にお看取りとなった方(既に退院されていた方も含めて)を医師・看護師・介護施設の方々と共に振り返るデスカンファレンスが特に印象的でした。最新文献のレビューや、MKSAPの勉強会なども継続されていて、新しい知見に貪欲な雰囲気がありました。東京、埼玉などの病院と合同のウェブカンファレンスも行われており、良い刺激のある環境だと思いました。担当患者さんとともに生活習慣病教室にも参加させていただきました。多職種の方々が運営されていてその裏側の工夫までみせて頂きました。 
宇都宮協立診療所では外来・訪問診療に参加させていただきました。医療センターとは異なる点が多く、地域医療の奥深さの一端を感じました。特に訪問診療は患者さんとの濃密な関わりがあり、先生の言葉遣いや患者さんの周囲から支えて行くという姿勢に感動しました。 
今回の地域実習は、慣れない土地に飛び込んでいくということで最初の決断には勇気が必要でしたが、先生方、事務の方々にも快く受け入れて頂き、様々な手配をしていただきました。栃木医療センター・宇都宮協立診療所の皆様には大変お世話になりました。ありがとうございました。
栃木医療センター研修(2015年1月13日~23日)

大阪大学医学部5年生 山本隆盛

内科業績(2016年度)